2015/10/27
奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市、学長:小笠原 直毅、以下:奈良先端大)は、スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 高田真治、以下スカパーJSAT)と共に地域災害医療に最適な衛星通信システムの開発・運用に関する研究と、その検証を10月20日より開始しました。
奈良先端大は、スカパーJSATが本学と社会医療法人緑泉会米盛病院(鹿児島市)に設置した衛星通信設備をベースにして災害時に有効なネットワークに関する研究を進めてきました。このネットワークの有用性は、今回のスカパーJSATの音声通信など衛星通信設備の機能を実際に利用することにより、検証できます。そこで、10月20日にこの衛星通信設備を設置した5つの大学・病院・研究機関が集まり、第一回目の全体会合を開催したのを皮切りに、今年度いっぱいかけて、地域災害医療に最適な衛星通信システムの開発と運用に関する研究/検証を実施します。さらに、将来を見据えた新システムへのビジョンを提言します。
地震などの災害が起こった際には、災害医療を担う地域の拠点となる病院間で、通信の確保が重要となります。具体的には、病院の被災状況、患者の受入可能数、また、受け入れて欲しい患者数、備品の在庫状況の確認等、医療活動に必要なありとあらゆる情報のやりとりが必須となります。被災現場と被災者の受け入れ病院間も必ずつながる通信が必要です。
特に災害医療の現場では、発災直後から3日間の通信確保が重要とされており、地震などの災害時には衛星通信が果たすべき役割は大きなものがあると認識しています。
奈良先端大は今年9月1日に行われた政府総合防災訓練における大規模地震時医療活動訓練に参加し、護衛艦「いずも」艦内の多目的室に衛星によるインターネット接続や音声通話を可能とするセキュア(安全)な環境を提供しました。その経験を踏まえ、今回の研究/検証を実施することで、災害時を考慮した病院、医療機関に最適な通信環境の開発・研究を推進していきます。
奈良先端大は、スカパーJSATと共に病院・医療機関の協力を得ながら、いつ起きてもおかしくない地震などの災害時に備えると共に、衛星通信の特性を取り入れた災害医療に貢献できるネットワークの開発・研究に取り組んでいきます。
つきましては、記事掲載、及び取材方よろしくお願いします。
【本件に関するお問い合わせ先】
奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター 担当:辻井
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