2019/06/19
このたび、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学は第34回奈良先端大産学連携フォーラムを開催することとなりました。
本学においては、未来社会への提案と題し、今後5年間、様々なテーマからのアプローチを紹介して参ります。
その第一弾として「環境からのアプローチ」をテーマに、環境に関わる様々な研究の中から最もホットなトピックをお届けいたします。また、後半には、テクノロジーで拓く"デザイン・ドリブン・イノベーション"についてテクノロジーやビジネスの目線から立命館大学の後藤准教授にご講義いただきます。なお、環境からのアプローチから、SDGsの17の目標のうち、「産業と技術革新の基盤をつくろう」について考える機会となること、ご参加いただきましたみなさまの交流の場となることも期待しております。記者の皆さまにおかれましては、是非ともご取材いただきますよう、お願い申し上げます。
概要
名称
第34回奈良先端大産学連携フォーラム 「未来社会への提案 vol.1~環境からのアプローチ~」
実施日時
令和元年7月26日(金)13:30~17:00 ※13:00~ 受付開始
実施場所
関西経済連合会 中之島センタービル29階会議室(大阪市北区中之島6丁目2-27)
定員
100名 ※申込先着順で定員になり次第、締め切らせていただきます。 ※参加費無料
プログラム
- 研究紹介講演[13:35~15:20]
「生き物にまなぶものづくり -バイオミメティクスで薬剤耐性菌と闘う-」
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 バイオミメティック分子科学研究室 准教授 安原 主馬
「微生物に学ぶプラスチックごみ問題へのアプローチ」
研究推進機構 環境微生物学研究室 特任准教授 吉田 昭介
「タンパク質分子複合系の特性と材料科学への展開」
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 分子複合系科学研究室 教授 上久保 裕生
- 学外講師講演[15:30~16:30]
「デザイン・シンキング、デザイン思考、デザインド・リブン・イノベーション~現代社会におけるデザイン主導のイノベーション~」
立命館大学 経営学部 准教授 後藤 智
- 閉会の挨拶[16:30~16:35]
奈良先端科学技術大学院大学支援財団 専務理事 中村 茂一
- 情報・意見交換会[16:35~17:00]
講師との情報・意見交換の時間を設定しております。ぜひ、積極的にご交流ください。
申込先
公益財団法人 奈良先端科学技術大学院大学支援財団 企画事業部
TEL:0743-72-5810 FAX:0743-72-5819 Mail:[email protected]
協力
公益財団法人 関西文化学術研究都市推進機構
研究紹介講演要旨
「生き物にまなぶものづくり -バイオミメティクスで薬剤耐性菌と闘う-」
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 バイオミメティック分子科学研究室 准教授 安原 主馬
生命は、長い歴史において常に自然淘汰を受ける中で、環境に適合できるよう進化してきました。バイオミメティクス(生物模倣技術)とは、生き物が進化の過程で獲得した優れた構造や機能にヒントを得て、高性能な新しいテクノロジーの開発を行うアプローチです。今回の講演では、多くの生き物が持っている抗菌分子を模倣して我々がデザインした新しい抗菌剤を取り上げ、バイオミメティクスの概念と展望について紹介します。
「微生物に学ぶプラスチックごみ問題へのアプローチ」
研究推進機構 環境微生物学研究室 特任准教授 吉田 昭介
生物はプラスチックを食事とすることができない。そのため、いったん環境に流出したプラスチックごみは分解されずに蓄積し、景観の破壊や生態系への影響が懸念されている。この問題に対して、使用の制限や、生分解性プラスチックの開発など様々な取り組みが始まっている。一方、分解されないはずのプラスチックを分解する微生物の報告が近年相次いでいる。本フォーラムでは、その発見の意義や、社会実装の可能性について議論したい。
「タンパク質分子複合系の特性と材料科学への展開」
先端科学技術研究科 物質創成科学領域 分子複合系科学研究室 教授 上久保 裕生
クモ糸は化学繊維を凌駕する性質を持ちながら、飼育が困難なため夢の材料と呼ばれてきました。近年、国内のベンチャー企業が原料となるタンパク質の大量生産に成功し夢への扉が開かれました。現在、私たちはクモ糸の原料タンパク質の意志を読み取り、生き返らせることによってクモ糸を人工的に再現することを目指しています。本講演では、タンパク質独特の物性を解説し、道半ばですが我々のクモ糸研究の最新の成果を紹介します。
外部講師講演要旨
「デザイン・シンキング、デザイン思考、デザイン・ドリブン・イノベーション~現代社会におけるデザイン主導のイノベーション ~」
立命館大学 経営学部 准教授 後藤 智
2018年に経済産業省・特許庁が発表した「デザイン経営宣言」に見られるように、 近年ビジネスにおいてデザインが注目されている。しかし、日本ではアメリカ西海岸式のデザイン思考ばかりが注目され、デザイン研究により蓄積されてきた幅広いデザイン・シンキングの知が活用されていない。 本セミナーでは、それらの違いとより高度なデザイン・シンキングを活用した デザイン・ドリブン・イノベーションを紹介し、デザインの理解を深める。