ただいまご紹介いただきました生駒市長の小紫雅史です。
 皆様、本日はご入学誠におめでとうございます。 

 研究・教育の双方で日本トップレベル、世界的にも多くの実績をあげている奈良先端科学技術大学院大学は、日本が世界に誇るアカデミアです。
 入学生の皆様におかれては、様々な国や地域から優秀な方々が集まる環境に身を置き、研究力を身につけ、素晴らしい業績をあげられるよう充実した生活を送ってください。

 本日、入学生の皆様にお話ししたいことは、これから皆様が学ぶ最先端の知見は、研究室内にとどまるものではなく、社会実装を目指すことで大きなインパクトを起こし、様々な地域課題を解決できる可能性がある、ということです。
 生駒市では、昨年から、奈良先端大の学生や研究者の事業化を支援する「いこま産学官アクセラレーションプログラム(略してI-SAP)」を開始しました。その関連事業として、このミレニアムホールで、メルカリ会長兼鹿島アントラーズ・エフ・シー社長の小泉文明氏にご講演いただきました。小泉氏が成功に至るまでの実体験は、これから起業を目指す学生の皆様にとって大いに示唆のあるものであったと考えております。
 昨年度には、奈良先端大発のスタートアップ認定制度も始まり、既に5件の認定スタートアップが誕生しています。
 事業家として成功できる人は、一握りかもしれません。簡単な道ではないでしょう。しかし、起業を目指し、高い壁に挑戦しようとする学生の方々を、生駒市はしっかりと応援していきたいと考えていますので、起業家精神・アントレプレナーシップを持って取り組んでいただきたいと思います。

 もう1つ、お話ししておきたいことが、「共創」の理念です。
 共創とは、塩﨑学長が2021年に「学長ビジョン2030」で掲げられた理念で、多様な主体が協働・協力してミッションを実現していくことです。共創が実践されることで、国内外のネットワーク、様々な大学や研究機関との協業、企業との共同研究などにより多くの成果が生み出されています。
 昨年度には、学内の保育施設として「咲いてく保育園」を開設されていますが、就学と子育ての両立を支援するとともに、教職員、学生だけでなく、地域住民にも開かれた保育園は、まさに共創の理念が実践されているものだと思います。
 そして、その共創の文化は、生駒市とも様々な連携を生み出しています。「公開講座」や「出前授業」など、奈良先端大の方々から市民、子供たち向けに最先端の科学技術に関する授業を行っていただく機会や、国籍や世代を問わず、誰もが気軽に触れ合える参加型の国際交流イベント「いこま国際Friendshipフェスタ」で異文化交流の機会を設けるなど、奈良先端大の皆様との連携の場を積極的に創出しております。もうすぐ万博も始まりますが、そこでも研究成果を活かしたVR観光体験を協働で披露する取組も控えています。皆様には、学業にとどまらず、地域で活躍されることを期待しています。

 最後になりますが、生駒市では、皆様とそのご家族が、毎日の生活を豊かに幸せにするための色々なお手伝いをしています。日常生活などで困り事があれば、是非遠慮なくご連絡ください。
 皆様が、共創の理念と起業家精神をもって、奈良先端大で過ごす期間が素晴らしい実りあるものになるように、心からお祈りを申し上げまして、私からのご挨拶といたします。
 本日は本当におめでとうございます。

令和7年4月4日
生駒市長 小紫 雅史