
万博出展技術を紹介!
AIロボット技術で実現する産業自動化
AIとロボティクスの融合が生み出す新たな可能性を研究するロボットラーニング研究室・松原崇充教授・佐々木光助教
大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン 4月23日(水)、9月19日(金)

「生産年齢人口減少による労働力不足の解消や、危険を伴う作業のリスク軽減などに、先端的なロボット研究の成果やAIを用いて貢献したい―」。自身の研究テーマへの思いを語る松原崇充教授のロボットラーニング研究室からは、二つの技術を出展します。
一つ目は、形状加工を自動化する研削ロボット。 製品の表面を削り取ることで所定の形状を得る研削加工には、高度な加工技術が求められます。 本研究では、JST未来社会創造事業の一環として京都大学と共同で研究を進め、AIを活用した自動化によって労働力不足の解消を目指しています。 博士後期課程3年の鉢峰拓海さんは、高専在学時から研削技術の自動化に取り組んでおり、本プロジェクトでは研削ロボットを一から設計・製作しました。構築したシステムによって、機械学習に必要なデータを簡易的なシミュレーションで収集できるようになり、研究の成功につながりました。

二つ目は、模擬ごみクレーンシステム。カナデビア株式会社(日立造船株式会社より社名変更)との共同研究のために製作したシステムです。ごみを焼却炉へ運ぶクレーンには、収集されたごみを攪拌して水分量を均等にする役割もあり、その作業をAIを用いて自動化しました。遠隔での操作が実現している焼却施設のごみクレーンですが、この自動化により人間による作業がさらに省力化し、危険リスクも軽減されます。この研究も、高専出身の佐々木光助教が、ごみクレーンを再現したロボットを作成したことで、データ収集が難しいごみクレーンの動きをシミュレーションすることが可能となり、実際のごみ焼却施設での実証実験の成功につながっています。

模擬ごみクレーンシステムと佐々木助教(左)、松原教授(右)

実際のごみクレーン。クレーンがごみをつかんで攪拌します。
鉢峰さんと佐々木助教はいずれも高専の出身ですが、じつは松原教授も、本学で学んだ高専出身の研究者。「一般大学はもちろんのこと、高専生にも、専攻科で培った専門教育の成果をもとに、科学技術の未来を拓くNAISTコミュニティーにどんどん加わってほしい」とエールを送ります。
最先端のAI研究とものづくりの技術が融合した二つのロボットを、ぜひ万博会場で体験してください。
【それぞれの研究の詳細は以下の動画からもご覧いただけます。】
研削ロボット
https://youtu.be/Zw5JUeb7afQ?si=IJ-U3zQEstA2Dn9r