
万博出展技術を紹介!
「リアル」×「バーチャル」が切り拓く未来社会
VR技術を使用した技術展示を行うサイバネティクス・リアリティ工学研究室・清川清教授
大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン 4月23日(水)、9月19日(金)
センシング、ディスプレイ、インタラクションの技術によって、人間の能力を向上させ、生活を豊かにするための研究を行っているサイバネティクス・リアリティ工学研究室。万博では、VR技術を使ったユニークな二つの技術を出展します。
一つ目は、現実世界に実在する扉を開くと、その先にあるバーチャル空間に自然に入り込むことができる、まるで『ドラえもん』の「どこでもドア」のような技術。VR体験において常に課題となる、バーチャルの世界をいかに本物だと思えるか、という課題を解決しようと考えた事がきっかけで、株式会社NTTドコモとの共同研究により、実現した技術です。現実のドアを開けてくぐることによって、現実とバーチャルとの遷移を自然に行えるようになります。これによりユーザーがよりVR空間に没入できるようになり、例えばVRを使用した訓練の効果やゲームなどのエンターテイメント感を高めることができます。

二つ目は、リアルタイム画像処理により、ヘッドマウントディスプレイを通して食物の見た目を別の食物に変換することで、例えば、そうめんがラーメンに、米飯がカレーライスに見え、制限のある食生活でも「食べたいものを食べた気分を味わえる」という技術。食事制限を行っていた学生が、「ラーメンをお腹いっぱい食べたい!」と思ったことをきっかけに研究を始め、電気通信大学、東京大学との共同研究でより発展しました。食事制限を行っている人のQOL向上や、健康リスクのある食事の回避、食料問題の解決にも繋がる技術です。

インターネット等の活用で最新技術にいつでもアクセスできるようになった時代。しかし、万博では若い人が新しい技術や楽しい技術を実際に見て触れて、技術の社会展開や活用方法を考えてチャレンジする機会にしてほしいと、清川教授は話します。また、万博への出展により、来場者が研究者から開発の苦労や試行錯誤の過程を実際に聞いて、みんなが考える場となることを期待しているとのことです。